顧客管理 顧客モデルの作成

最終更新日: 2022年1月21日

はじめに

このチュートリアルでは「顧客管理アプリケーション」の開発を通して、Wagby EE による具体的な開発方法を学習します。

本チュートリアルを最後まで通した状態の設計情報(リポジトリファイル)を用意しています。最初にリポジトリファイルを読み込んでから、チュートリアルにそって設計情報を確認する、という進め方もできます。 ダウンロード

プロジェクト名の変更

はじめに、プロジェクト名(アプリ名)を設定します。
本チュートリアルでは顧客管理のアプリケーションを作成するため、今回はプロジェクト名を「顧客管理」にします。

  1. WagbyDesignerを起動します。起動方法はWagbyDesignerの起動をご覧ください。
  2. 上部メニューの「環境」をクリックします。
    プロジェクト名を「Wagbyアプリケーション」から「顧客管理」に変更します。
    プロジェクト識別子、Javaソースコードパッケージ名は変更せず、今回はデフォルトのままにしておきます。
    プロジェクト名を変更する
    変更と同時に設計情報に反映されます。
    これでプロジェクト名の設定は完了です。

顧客モデルの作成

Wagby ではデータを入れる箱を「モデル」と呼びます。
顧客のデータを入れる箱として「顧客」モデルを用意します。

  1. 上部メニューの「モデル」を押下し、モデル定義画面に移動します。
    ここでギアアイコンの「新規モデル」を押下すると、図3に示すモデル定義画面が開きます。
    新規モデルを定義する
    新規モデルの定義画面が開く
  2. モデル名とモデルを以下のように設定します。
    モデル名:顧客
    モデルID:customer
    (モデル名は日本語で、モデルIDは英語を使います。)
    モデル名とモデルIDの設定

項目の定義

  1. 顧客モデルの項目を次のように設定します。
    項目の定義
    No.項目名項目ID検索一覧
    1顧客IDcustomerid数値--
    2顧客名称customername文字列
    3顧客カナcustomerkana文字列
    4会社名称companyname文字列
    5電話番号tel文字列

    ワンポイント

    Tips:入力欄の操作について
    「項目名」と「項目ID」の欄は、カーソルキーで移動できます。エンターキーで次の行に移ります。SHIFT+エンターキーで前の行に移ります。お試しください。

「主キー」について

顧客モデルには文字通り顧客の情報が格納できるよう、上で「顧客名称」や「会社名称」などのモデル項目を設定しました。
ただし、これらの項目は、同姓同名や同じ会社の人だった場合、重複することがあります。

そこで、顧客モデルでは「顧客ID」という重複しない番号を1つ1つのデータに振ることで、システム内部で管理しています。
モデルには、データが重複しないモデル項目を必ず一つ用意する必要があります。
これを「主キー」と呼びます。

ここでは主キー「顧客ID」について注目してみましょう。

  1. 先程定義したモデルを確認します。
    顧客モデル
    「顧客ID」の行の左端にカギのマークが表示されています。
    このマークがついている項目は「主キー」に設定されています。
  2. 「顧客ID」の詳細ボタンをクリックし、設定を確認します。
    「主キーとして利用する」にチェックが入っていることがわかります。
    主キーにする項目は、ここで設定を行います。

    また、「主キーの詳細」欄の「順序を利用する」にチェックが入っています。
    この場合、開始番号(1000)から順番に番号が振られていきます。
    主キーの設定

ビルド~アプリケーションの起動

モデル定義が完了したので、アプリケーションの動作を確認します。

  1. 上部メニューの「ビルド」を選択するとビルド画面に遷移します。
    この画面で、
    ・ビルド種別の選択

    初めての場合:「フルビルド」を選択
    2回目以降の場合:「差分ビルド」を選択

    ・「ビルド終了後にアプリケーションを起動する」と「アプリケーション起動後にログオン画面を表示する」にチェックを入れる
    を行った後、「ビルド実行」ボタンをクリックします。(ビルド完了まで数分かかります。)
    ビルドを実行する
  2. ビルドが完了すると別タブが開き、アプリケーションのログオン画面(以下URL)が表示されます。
    http://localhost:8921/wagby/
    図の通り、左上には先の手順で設定したプロジェクト名「顧客管理」が表示されています。
    デフォルトで用意されているアカウントでログオンします。
    ユーザID:admin
    パスワード:wagby
    顧客管理アプリケーションのログオン画面

動作の確認

アプリケーションにログオンできたら、実際に動かしてみます。

  1. 「サービス」タブに「顧客検索」というメニューが表示されています。
    こちらをクリックします。
    顧客検索画面へ
  2. 表示された画面に、今回作成した「顧客」モデルに関する基本操作(データの登録や表示など)が含まれています。
    ※この時点では登録データが0件のため、登録以外の操作メニューは非表示になっています。
    顧客検索画面
  3. 顧客データを2件登録します。
    「登録画面へ」ボタンを押下し、顧客の新規登録画面を開きます。
    入力欄に以下の通り入力し、「保存」ボタンをクリックします。
    顧客名称顧客カナ会社名称電話番号
    鈴木 一郎スズキ イチロウジャスミンスポーツ098-890-6036
    田中 二郎タナカ ジロウジャスミン商事03-1234-5678
    顧客データを1件登録する
  4. データが登録されました。
    同様の手順で2件目も登録を行います。
    データが1件格納された
  5. データの登録が完了したら、「検索画面へ」をクリックして検索画面に戻ります。
    検索画面では、モデル定義で「検索」にチェックをつけた項目で絞り込みが行えます。 顧客名称の欄に「鈴木」と入力して検索すると、先ほど登録したデータがヒットします。
    検索による絞り込み

よくある質問と回答

データベースの設定を行っていないが、動作しているのはなぜ?
このチュートリアルでは、内蔵データベースを使っています。正規購入版では、OracleやMySQLといった外部データベースとの接続が行えます。
定義したモデルは、すべて「サービス」というメニューの中に組み込まれる?
いいえ、メニュー構成や色など、細かく設定することができます。詳細はマニュアル「リポジトリ>メニュー」をご覧下さい。
画面レイアウトがシンプルですね
最初のチュートリアルですので、画面レイアウトはデフォルト設定を利用しています。ご自身でカスタマイズすることも可能です。
詳細はマニュアル「リポジトリ>レイアウト」をご覧下さい。
データの設計のみで画面に関する設計は一切行っていませんが、不要なのでしょうか?
標準的な画面の操作体系はデフォルトで組み込まれていますので、設定しなくても使えます。
ただ、こちらもご自身でカスタマイズすることが可能です。
詳細はマニュアル「リポジトリ>画面機能」をご覧下さい。

今回のチュートリアルでは、最低限の設定操作でアプリケーションを作成しました。
今回試した操作以外にも、さまざまな設定を行うことでより便利で実用的なアプリケーションを作ることができます。
これから少しずつ、リポジトリ(設計情報)の設定方法を説明していきます。

トラブルシューティング

本ページの「よくある質問と回答」をお読み下さい。