【基本のき】ノーコード開発の「ノー」って、本当にプログラムを書かないの?

株式会社ジャスミンソフト

更新日: 2022年2月10日

「ノーコード」とは

IT業界では昔から "プログラミング不要で" という枕詞のついた開発ツールが、時代ごとに登場してきました。

今回のブームは「Webアプリ」「スマートフォン対応」「クラウド前提」「ツール同士の連携」などが新しい切り口になっています。

多くのノーコード開発ツールはプログラミング不要をうたっています。実際のところはどうなのでしょうか。

『プログラミング不要』の本当の意味

何をもって『プログラミング不要』とうたっているのか、またどこまでのものを作れるのかはツールによって様々です。
ここでは、代表的な3つのケースを紹介します。

1.ユーザーインタフェース(見た目)のみ作れる

Webやスマートフォンの画面イメージを手早く作りたい、というニーズに応えます。

入力欄やリストボックスといった部品を画面上に並べ、デザインの確認を行うことが目的ですので、プログラミングは不要です。

ただし、できあがるのは動作するアプリケーションではありません。プログラミングを行うチームに渡すためのモック(ひながた)になります。

2.ツールが提供するプログラムのみ組み込める

ユーザーインタフェースのデザインに加え、このボタンを押したら○○という処理をする、という「ボタンと機能の紐付け」までを行えるツールです。

この「機能」がブロックで提供されます。マウス操作だけで画面を設計し、配置したボタンとブロック(機能)を結ぶだけです。これがもっともノーコードに近いイメージではないでしょうか。

このようにブロックは、画面または別のブロックから入力された値を使って、ある機能を呼び出す形式になっています。例えば「Slackにメッセージを送る」ブロックなどです。

一方で、提供されているブロック以上のことを実現することはできません。

限定されたパターンでブロック同士を組み合わせることはできますが、複雑な処理を行うことは苦手です。

3.プログラムを簡単に書く仕組みを提供している

上で説明したブロックをさらに拡張し、「変数」や「判定(もし〜ならば)」「繰り返し(ループ)」「データベース操作」「ファイル操作」といったブロック群を提供するツールです。

これは実のところ、ブロックを並べることがプログラミングそのものになっています。これをビジュアルプログラミングと呼ぶことがあります。子供向け学習教材として知られていますが、実業務でも十分に活用できる能力を備えています。

ノーコード=プログラミングスキルが不要とは限らない!

ここまでお読みいただいくとわかるように、ノーコードはプログラミングを簡単に見せる手法であり、やろうとしていることはプログラミングそのものです。

つまり、プログラム言語を1から書くことは不要になっても、実現したいことをプログラミングの処理に落とし込むスキルは求められます。

「これなら自分にもできそう!」という印象をユーザーに与えるために、『プログラミング不要』『ノーコード』という言葉が使われているのです。 それでも、Java や JavaScript といったプログラム言語そのものに比べれば、はるかに習得しやすいといえるでしょう。

クラウドが、ノーコード開発を後押ししている

ひと昔まえは、開発ツールは個人のコンピュータにインストールする必要がありました。

初学者にとっては "ソフトウェアのインストール" という行為そのものが、敷居が高く感じられるものです。「OSの環境変数」という文章を読むだけで、自分には無理と思う方は少なくありません。

この問題をクラウドが解決してくれました。インストール作業なしで、Webブラウザからすぐに使えるというノーコード開発ツールの登場です。

今のブームは、いろいろな技術の平均点があがったため、より初学者に優しい世界を提供できたことが大きいのです。

まとめ

「プログラミング不要」といっても、ノーコード開発ツールごとに、その意図することはさまざまです。

ユーザーインタフェースだけを作りたいのか、外部のWebサービスを呼び出したいのか、あるいは汎用的なプログラミング言語とほぼ同じようなことをビジュアルプログラミングとして実現したいのか。目的に応じて開発ツールを選ぶとよいでしょう。

ところで最初はみんな初学者ですが、経験を積むことで、できることが増えます。すると「やりたいこと」の幅も広がります。そのときになってツールの限界を知り、別のツールに乗り換えざるをえないということになってしまうと、一から学びなおしになります。

そこでとにかく色々試してみたい、という方には、ビジュアルプログラミングをおすすめします。初学者からプロの開発者まで飽きさせることのないツールが理想ですが、ビジュアルプログラミングがもっともその可能性に近いと考えています。

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