【基本のき】ローコード開発の「ロー」って、どういう意味?

株式会社ジャスミンソフト

更新日: 2022年2月28日

より少なくという意味の「ロー」

「ローコード」は "Low Code" のことで、"Low" にはより少ないコードで、最大の効果を得るという意図が込められています。

ところで「より少ないコード」って、どういう意味でしょう?
いまも開発現場で使われている汎用的なプログラミング言語では、できないことなのでしょうか?

この点について、もう少し深掘りしてみましょう。

書くのが面倒なコードって、どのくらいあるの?

業務アプリケーション開発の現場では、誰が書いても同じようになるコードというのがあります。
一つ一つは単純で定型的ですが、大量になると開発者にとって負担になります。
※こうしたコードは「ボイラープレートコード」などと呼ばれることもあります。

代表的なものとして、

  • データベース処理(登録、更新、削除ほか)
  • Webサイトの入力フォーム
  • エラー処理
  • テストコード

などがあります。
定型的とはいえ、開発内容によって少しずつカスタマイズする必要があるため、単純なコピー&ペーストではうまくいきません。

ローコード開発ツールと呼ばれる製品群は、このような面倒なコード作成を削減できる仕組みを提供しています。
これによって、開発者は本当に必要なコードの作成に集中できるようになります。

専用のローコード開発ツールがないと、できない?

ところで、面倒なコードをできるだけ書かないようにする、というのは古くからの課題です。
したがって、ローコード開発ツールの登場前から、これを改善するさまざまな方法が存在していました。

最新の開発言語には、最初からこの課題を解決できるような仕組みが備わっているものが多くあります。
ですので、必ずしも有償のローコード開発ツールがないとできないわけではありません。

にもかかわらず、ローコード開発ツールが市場に多く投入されているのは、なぜでしょうか。

ローコード開発ツールのメリットは何?

ローコード開発ツールが求められている背景には、開発者不足があげられます。

今、日本に限らず世界中のあらゆる組織が DX(デジタル トランスフォーメーション) - デジタルを中心とした世界で、ビジネスの足場を築くこと - に取り組んでいます。 そのため最新の開発言語を使いこなせる人材は貴重であり、その争奪戦が加速しています。

そんな中で「いま、そこにいる開発者」だけでなんとかしよう、と考えるなら、ツールの力を借りるという発想はアリです。 簡単に使えるツールなら、新人や、シニア人材の活用も視野にいれることができそうです。

便利なツールは欲しいけど、対応していない機能はどうすれば?

ところが開発現場で悩ましいのは、ローコード開発ツールが自分達のやりたいことをすべて叶えてくれるかどうかがわからない、ということです。

汎用的なプログラミング言語を使った従来型の開発は、手間さえかければどのような機能も作り込むことができました。ローコード開発ツールは、その「手間を省く」ようにできているため、柔軟性に欠いている、と感じることがあるでしょう。

そのためツールによっては「カスタマイズ可能」な範囲を広げることで、二兎を追いかける方式もあります。ただこの場合も、カスタマイズすればするほど従来型の開発方式に近づくため、期待していた生産性向上につながりません。

カスタマイズしてでも実現するのか、またはツールが提供する代替案を(希望する形ではないものの)受け入れるか、という判断が必要になることがあります。

ローコード開発ツールの採用を後押しする背景

ローコード開発ツールは魔法ではありません。嬉しいこともあれば、我慢することや諦めることもあるでしょう。 それでも多くの組織がローコード開発ツールの採用を前向きに検討しています。

理由として、さきほど開発者不足への対応ということに触れましたが、実はこれだけではありません。積極的になっている理由は、もう一つあります。

それはスピードが重視されるようになったためです。

ローコード開発は DX の「業務アプリケーション開発」を支える技術です。 DX には正解がなく、アイデアを形にするためのスピードが重視されています。

ところが、これまでの開発手法では間に合わない!ということがリスクとして捉えられるようになりました。 そのため、ある程度の自由度を失うものの、スピードを重視する、という時代にローコード開発「ツール」が向いていることがわかってきたのです。

まとめ

ローコード開発という考え方は昔からあるもので、専用のツールがないとできない、ということではありません。しかし「開発者の不足」と「開発スピードの重視」という二点から、ツールを使うという発想が受け入れられてきました。

一つだけ補足すると、「安くつくる」ことが目的ではないのです。価格を下げるだけなら、他にもさまざまなアイデアがあります。今いるメンバーでDXを実現するために、ツールの力を使うという選択肢が現実的になった、というように捉えると、すっきりするかも知れません。

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